インフラサービス部設備構築プロジェクト
12台の物理サーバーで構成されたサーバー仮想化基盤の中で、サポート期限が近づいてきた最も古い物理サーバー4台のリプレース(交換)を実施。リプレース後の新サーバーはこれまでよりも広帯域のネットワークへ接続するために、10Gスイッチの増設も合わせて行った。 ※所属や担当業務など、以下に記載の内容は取材当時のものです。
MEMBER
-
青田 英雄
インフラサービス部 課長
インフラエンジニア
本プロジェクトの担当業務:
プロジェクトマネージャー
(プロジェクト企画・全体統括) -
佐藤 宏邦
インフラサービス部 主任
インフラエンジニア
本プロジェクトの担当業務:
ネットワーク増強作業の技術サポート -
坂井 佳祐
インフラサービス部
インフラエンジニア
本プロジェクトの担当業務:
プロジェクトリーダー
(作業計画、詳細設計、スケジュール管理など) -
村山 紘司
インフラサービス部
インフラエンジニア
本プロジェクトの担当業務:
サーバー設置、構築、動作試験担当
課題・ミッション
- お客様へサービス提供中の仮想化基盤であるため、サービス影響を発生させる事なく物理サーバーのリプレースを行う。
- リプレースにより、基盤全体のスペックアップを図る(基盤全体で20%の向上)。
工夫したポイント
- 既存でサービス提供しているシステムに変更を行う際は、影響が出ないよう入念に事前・事後の確認を実施。
- メーカーに確認し、サーバーを止めずに入れ替えられる手法を選択。
- 経験豊富なサポートメンバーを加えて、作業への信頼性を高める。
Talk Session : 1
頼れる先輩と難易度の高い作業に挑戦
- 青田:
- このプロジェクトは、お客様へサービス提供中の仮想化基盤だから、サービスに影響を発生させる事なく物理サーバーのリプレース(交換)を行うことが一番の要で、それで経験のある坂井君にリーダーを任せたんだよね。
- 坂井:
- リプレースは経験していましたが、物理的にサーバーにスイッチを追加する作業はしたことがなく、特殊な作業だったので10年以上運用業務に携わってきた佐藤さんにサポートに入ってもらいました。このスイッチ追加作業が一番の山場でしたね。
- 佐藤:
- すでに稼働している状態の機器への追加となるため、問題が発生した際の影響が大きくて事前に十分な準備が必要な作業でしたので、プレッシャーがありました。 最初はサービスを一度止めないと追加できない、という認識で、止めるならどうやって影響を最小限にするかを考えていましたが、調べたら止めなくてもいけそうなことが分かって。お客様へのサービスに影響を出さずに作業ができると少し安心しましたが、やっぱり作業後に問題のないことが確認できるまでは不安でした。
- 青田:
- 動いている状態で手を加えるのは、難易度が高いからね。
- 坂井:
- お客様のサービスに影響が出ないよう十分準備をしたつもりでも、プレッシャーは大きかったです。村山さんはインフラの部署2年目で、初めてのリプレース作業でしたね。
- 村山:
- 絶対に周りの動いている機械に影響を出してはいけないので、とにかくダウンしないように、管理表を作ったりリスクの洗い出しをしたり、緊張しながら作業したのを覚えています。
- 佐藤:
- 緊張というと、スイッチ増設作業の時に、既存の回線が固くて抜けなかったのはすごく緊張した。坂井さんとドキドキしながら「これ抜けないよ」「何か引っかかっていませんか?」とか慌てふためいて、坂井さんが手順書を探しにいっている間に、なんとか抜けた(笑)。
- 坂井:
- ありましたね(笑)。電源回りに気を配っていなかったので、機器設置の申請を提出する際に、ラックの供給電力が足りなくなっていることに気付いた時も焦りました。急遽、影響のないサーバーの電源接続先を変更して、無事、所定の電力内に収め設置することができたときはほっとしましたね。
- 青田:
- サーバーの初期不良もあったりして、作業が遅れ気味にはなったけど、元々のスケジュールが余裕を持って立てられていたから、期限内に間に合わすことができたのも良かった。
Talk Session : 2
相乗効果が生まれる現場で学び、メイン担当に成長
- 青田:
- 坂井君は普段、運用業務が中心だから、リプレースはなかなか経験が積めない業務だよね。
- 坂井:
- 特にネットワーク増強作業は、佐藤さんに技術サポートに入っていただいて、理解が深まっていい経験ができました。
- 村山:
- 私も、いつかは覚えたいと思っていた業務だったので、経験できて良かったです。特に、作業の際のリスクを洗い出して考えられたことは、今後プロジェクトが変わってもリスクが重なる部分もあるし、経験を今後に生かせると思います。
- 坂井:
- 仮想基盤ホストは仮想マシンを集約している為、1台に接続されるネットワークケーブルが多くなります。その為、配線を極力きれいにまとめるのに苦労したけど、そこは村山さんが上手く対応してくれました。
- 村山:
- 1台に接続されるネットワークケーブルが多かったので、配線を識別しやすいようにまとめ、排気の逆流を起こさないように配線経路を整理してから作業に取り掛かることを意識しました。
- 坂井:
- 村山さんは仕事が丁寧だよね。
- 青田:
- 村山君は現在のインフラシステム部サービス運用課に異動する前は、データセンター勤務だったので、ラック内のケーブル配線やエアフローなど物理的な注意点への気配りが生かされたと思う。佐藤君のサポートも含め、異なる経験をお互い持ち寄って達成できたプロジェクトだな。
- 佐藤:
- 今回一緒に仕事をして、「仮想上のデータのバックアップは坂井さんが詳しい」とか、メンバーの個性を知ることができました。それぞれいいところが出せたんじゃないかな。
- 坂井:
- このプロジェクトの後に、別のサーバーのリプレースが決まっていて、これは村山さんがメインになります。今度もきっとミスなくやってくれると思います。
- 村山:
- 今回の経験をしっかり生かして頑張ろうと思います。
- 佐藤:
- サーバー運用の仕事って、なかなか目につかないんだよね。でも、以前先輩が「どんどん新しい技術が出てきて学ぶことが多い、そこが面白い」と言っていて。それは本当だなと思うし、自分自身で学ぶ意識さえあれば、サーバー運用業務の中でできることは大きいと思うんです。
- 一同:
- (うなずく)
- 青田:
- 経験がある坂井君、これから頑張ってもらいたい村山君、そしてネットワークについて詳しい佐藤君が集まってくれたことで、いい相乗効果が生まれて、期待以上の結果につながったプロジェクトになったね。
プロジェクトの成果
- 物理サーバーを止めずにリプレースする知見が得られた。
- 他部署や過去の経験から培った個々のノウハウが生かされ、相乗効果が生まれた。
- 初めてリプレースに関わったメンバーの、類似案件への対応力がついた。